やらかした ～1022年 九月～

さて九月です。先月は夏の選考試合で優勝。その席で、芹香は最期の勇姿を、弟子の菫に直々に見せました。これにて免許皆伝。

その印として、胡蝶の手袋は菫に渡されることとなりました。

で、もう芹香は隠居なんですけど、最後にやらなければいけないことがあります。

そう！今月は芹香の交神です！！

芹香、交神の時には別段要求とか好みとかはありませんでした。だから完全に僕の？趣味で決めるんですけど、芹香はこの時点で最年長。あんまり彼女のことを察していい神様を提示してくれる人は今はいなさそうだなーと思います。だからきっと、すすきと話し合って、お互いに相手の神様を決めてたりしたのかもなあと思ったり。

候補はですねえ……結構多いんですけど。正直ほとんど迷わなかったんですよね。

はいこの人。鎮守ノ福郎太様。

いやなんか。これはもう僕の癖みたいなものだと思うんですけど。強そうな子を見ると、「絶対この子は何か弱い所あるよね」って思いたくなる。というか、「完全無欠」を作りたくない、という気持ちがあるのかな。

まあそんなことはどうでもいいんですけど、芹香もご多分に漏れず、やっぱり弱い子です。自分の実力不足を実感したり、それでも地に足の着いた自信がある矛盾を抱えていたり。大人になった後、雪辱を果たす機会に恵まれなかったり。すすきが選考試合に送り出してからは少しは気分も楽になったのかな、とも思うのですが、それより前に二人がお互いの相手を決めてたとすると、福郎太様はすすきチョイス。

点数がめちゃくちゃ高いので素質的には申し分ないし、何よりその頼りがい。すすきをいつも守ってきた芹香を「守ってくれる」神様。きっとそういう子を選ぶかなって。

　　　　　　

はいお似合い。いやね、この二人落ち着いてるみたいでしょ？でも芹香ちゃん、きっと心を開いて、彼にしか見せない一面を見せるんじゃないかなって思います。

よろしくお願いします！！

……そしてですね。ここで致命的なミスをした僕。

あの、すすきの子供の茜を、どうしても芹香に訓練をつけさせたかったんですよ。で、茜の訓練を芹香にして、そのあと誰にするか考えてた僕。それをすっかり忘れて交神を終わらせちゃった僕。……家にみんないるのになぜか自習してる茜。

ごめんんんんんんんんんんんんんんんんん！！！！！！！

本当にごめんよ……。いやごっめん……。

来月から、しっかりビシバシ育っておくれ……。