垣根の垣根の百物語

PSP俺屍Rの自分の一族とか某inb氏の一族の話とか ネタバレあります。

陽炎に消ゆ ~1022年 八月~

八月です。先月は白骨城で大江ノ捨丸を討ち果たすことができました。予定通り、今月は選考試合に参加するつもりです。

 

さてその前に。今月はすすきの子がやってきています!こちら!!!

 

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うん……女の子!知ってた!!!!

実は当家ですねえ……最近女女女男女女女と続いておりまして……ちょーっとこまっております。男女男男女男女もびっくり。先生男子が神様の所からやってきません。

ま、まあいいんです。頑張って男神様を見繕いますから。頑張って。頑張る。

 

さてこの子ですが、当家で初めての赤髪ですよ!!!

しかも、心技体全ての素質で火が表出してます。すすきはなんてったって由良様の子供ですからね。ああ見えて芹香よりも高い心火の素質、血の気が多いタイプの子です。そういったところが出たのかな。いい面構えしてますね。

実は当家。現在六流で指南書の数も六。世代ごとにそれぞれの職業を一人ずつ置いていこうと考えているのですが、現在残っているのは壊し屋と弓使い。(実梨→剣・尚武→槍・菫→拳・志穂→薙)もう一つの職業は芹香の子供に継がせるわけですが……芹香の豪快さを継いでくれたら壊し屋も悪くないかなあって思います。あとは、折角すすきが存命している間に来てくれた子だし、親と同じ職業をやってほしいなという気持ちもあり。……じつは、もう一つ事情があります。

兎にも角にも素質につきまして。体素質に目をつけて火車丸様と交神しただけあって、非常に安定してますね。菫にも全く引けを取らないいいバランスしてます。だから他の素質が多少低くてもご愛嬌って感じかなー。

技素質は火がぶっちぎりですね。これはもう、火車丸様の素質をちゃんと引いてくれましたでしょう。他はそこまで高くないですが、技土はそこまでは低くない。木霊の弓をちゃんと扱ってくれそうです。

心素質は……なんていうかもう、「二人の子」って感じですね。火と風。血の気が多いし、激しやすい。口癖のぜんぜん、ってのは……「全然平気」とかなのかな。気性の激しい、豪胆な子って感じ。そこらへんちょっと芹香にも似てますね。でもストッパーが必要そうなのは、すすきに似てるかも。

名前ですが……せっかく赤!!!って感じの子が来てくれました。そういうのからとってみたい。火、という要素を直接名前に入れるのも悪くない。ただ、真垣家は一応植物モチーフの一族ですからね。火とか燃えるような夕焼けとかをイメージしつつも、植物の方を先行させたい。

というわけで、この子の名前は茜(あかね)としました。茜自体は植物だし、アキアカネのイメージからはやっぱり燃える夕焼けが想起されます。世代としては若い方ですが、今まで菊梧家の双子が翠蓮のサポートに徹してきたように。尚武を助けてあげてほしいです。

 

さて今月は当然すすきに茜の訓練をつけてもらいます。すすきはさらに健康度がさがって、きっと今月が最後。……そんな弱りゆく妹の姿を見て、疲れちゃったのかな。芹香の健康度も、下がりました。

さっき、もう一つ理由があって茜を弓使いにする、と言ったのは、もし今月選考試合に出ると、芹香が自分の子供を拝めないで終わってしまうからなんですよね。そうなったときに、妹の職としての弓使いを鍛えられないのは、不本意なんじゃないかなって。

断腸の思いではありますが、今月は選考試合に出てもらいます。理由は大まかに二つくらい。

一つは、帝とのコネクションを断ちたくないこと。もう一つは、菫に芹香の背中を見せておきたいこと、でした。

菫は戦いの場での芹香を知りません。そして彼女にとって、芹香は未だ体術の師匠でしょう。そんな彼女が目指すべき姿として、又確固たる実力として、芹香の姿を見ておくのはきっと大事だと思いました。これはきっと芹香の最後の出陣となるでしょう。その姿を、菫に、そしてすすきにも。見せたかったんです。

僕は今月末でのすすきの遺言を知っています。だから、今考えるとこれって他にも意味があったんじゃないかな、って思うんですけど。また後で。

 

さてさて選考試合。すすきが茜の訓練、はさっき言った通り。芹香と菫も出陣が確定。ちょっと最近出ずっぱりだったので、今月は志穂にお休みしてもらうことにしました。尚武や実梨は休みがちでしたからねえ……あとこの二人セット感あるし。

ということで、尚武・芹香・実梨・菫の四人で、選考試合に行ってきます!!!

はい、行ってきました!!!優勝!!!!!

 

……だけだと味気ないので、もう少し。

選考試合、基本は一本勝ちを狙っていきました。全員が単体攻撃なので、誰を狙うのも楽。一撃で基本的には倒せるのですが、功徳の拳をつけてる状態の菫だとちょっと火力が足りないこともあります。この選考試合は、芹香から菫に胡蝶の手袋を譲り渡すための試合でもありました。

芹香は三連撃を決めてみせたりすることで、「火力」としての拳法家の立ち位置と、そして彼女の最後の華を見事に見せつけてくれます。菫も、負けじと三連撃を決めました。この戦いの意味、を尚武と実梨もわかっています。二人はあくまでサポートに徹しました。雑魚の露払い。大将を蹴散らすのは、あくまで芹香の役目でした。

そうして、決勝戦。同様に訪れた、大将と芹香の一騎打ち。しかし、ここで芹香は攻撃をしませんでした。新しい波の、新しい世代の役目だから。菫に花を持たせる形で、然し、討ち漏らすような真似を決して許さない顔で、彼女に攻撃の機会を与えます。もう弟子ではない、ということを伝えるために。

それに、菫はしっかりと応えてみせました。最後の連撃が見事に決まり、優勝を飾る姿を、すすきはしっかりと目に焼き付けたはずです。

 

そうして優勝旗を持ち帰ってから、時を置かずして。すすきはゆっくりと、その人生を終えようとしていました。

 

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真垣 すすき

享年 一歳九ヶ月

1020年 11月 真垣 菊梧と陽炎ノ由良様の子として、芹香とともに誕生。

        菊梧に師事する。

1021年 1月 相翼院への出陣。速瀬ノ流々様を解放。

1021年 3月 春の朱点童子討伐隊選考試合へ出場。優勝を飾る。

1021年 4月 鳥居千万宮への出陣。稲荷ノ狐次郎打倒。

1021年 5月 鳥居千万宮への出陣。九尾吊りお紺打倒。

1021年 8月 夏の朱点童子討伐隊選考試合へ出場。優勝を飾る。

1021年 9月 相翼院への出陣。片羽ノお業相手に敗走。

1021年 10月 相翼院への出陣。

1021年 12月 大江山への出陣。痩せ仁王・太り仁王打倒。虚空坊岩鼻様を解放。

1022年 1月 鳥居千万宮への出陣。稲荷ノ狐次郎・九尾吊りお紺打倒。

1022年 4月 九重楼への出陣。

1022年 5月 相翼院への出陣。片羽ノお業打倒。

1022年 6月 火車丸様との交神。茜を儲ける。

1022年 8月 茜に訓練をつける。永眠。

 

すすきは、双子の片割れ。芹香の妹として生まれました。容姿は全然似てない双子なんですけど、心火が高いのはそっくりで、でももう少し落ち着きのある芹香が抑え役をしていることが多かったんですよね。そんなお姉ちゃんを見ながら育ってきたのが、すすきでした。

 

一方ですすきは技力が高くて、回復タンクになることが多く、心は強く燃えている反面、やっていることはすごく後方支援的な役回り、ってことが多かったです。この段階で木霊の弓に期待されるのが、特にボス戦においては威力よりも追加効果、というのも大きかったです。「隙があれば攻撃、なければ支援」というのがすすきの基本的な立ち位置でした。

 

ただ、あの最初のお紺戦、死闘を制する止めの一撃となったのはすすきを起点とした白浪の併せです。激しやすい反面、火力が足りないことを自覚してもいたはずの彼女は、あらゆる手を用いて力となりたい気持ちがあったと思います。それが時として、冷静な判断を生むこともあったのかなと。

 

彼女が火力になれないことの燻り、そして心に抑え込む熱い気持ち。これらはきっと、菊梧譲りなんじゃないかなって思うんですよ。菊梧も自らの実力不足を初陣で感じ、それからずっと我慢をし続けてきた男です。彼女にとっての「実力不足」を感じるきっかけ。恐らくは出陣メンバーはみんなそうだと思います。お業戦。何もできなかった彼女、翌月の翠蓮との二人での時間。未熟な当主でありました。そして、未熟な自分を感じた事とも思います。サポート役としての真価を発揮するのは、そして同時に、彼女の中での燻り・もどかしさがいよいよ強くなるのは、ここからなのかなと思っています。

 

もしかしたら、火車丸様には気づかれていたのかもしれません。同じ熱い心を持つ者として。

 

―—指をくわえて待ってたって

  出るのは ヨダレだけ

  欲しけりゃ 自分で取るの

  待ってたって 誰もくれないわよ

 

 これ、どういうことなのかな。しばらく考えました。すすきはそんなにみんなを引っぱってたわけでもないし……。

しばらくかんがえて、はっとしました。これきっと、お姉ちゃんに言ったのかなって。

 

実は芹香。すすきと違って、お業戦のリベンジを果していません。そればかりか、捨丸戦といい、二度目のお紺戦といい、重要な戦いは全て参加していないんですよね。そこで、稀代の天才・菫の登場もありました。彼女はもともと自分の実力に対して客観的な分析と、そこから生まれる自信を持っている子です。自称ネズミなんて謙遜をするのが何よりの証。そんな彼女は、もしかしたら、無力感や不満を募らせていたのかもしれないなって思ったんです。

でもすすきは知っています。芹香が人にものを教えるのが上手いこと。そして、どんな時も自分を助けてくれていたこと。いざとなれば獅子奮迅の活躍を見せて戦うこと。きっとね、お姉ちゃんの指揮のもと戦うのは、すすきにとって楽しい時間だったんじゃないかな。だからきっと、この遺言もお姉ちゃんに対する軽口の一つ。芹香が言いそうなセリフ。もしかしたら、選考試合前に何か発破をかけていたのかもしれないなと思いました。

 

「いつまでくよくよしてるの。その拳も、その性格も、お姉ちゃんの持ち味でしょ。また、私に見せてよ」

 

きっと、すすきはずっと、最後のひと時まで。豪胆で、いつも力強く引っ張ってくれて、支えになってくれる。そんなお姉ちゃんが、大好きだったんじゃないかなって。

 

 

 

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すすき、お疲れ様。今までありがとう。