垣根の垣根の百物語

PSP俺屍Rの自分の一族とか某inb氏の一族の話とか ネタバレあります。

命令 ~1021年 九月~

さて、九月です。

ここら辺から今年の大江山を意識し始めますね。もしこのままお業さんとか五郎ズを何とか倒せるようであれば、そのまま大江山踏破というのも考えるべきなのかもしれないと思います。まあでも、お紺さん相手にあれだけ激戦を繰り広げたし、きついのかなあ……という気持ちと、いやいや、でもあれは眠り効果があったからで、あれが無かったらもっと楽だったよなあ……という気持ちと。

 

翠蓮は揺れてるかもしれません。でもとりあえずは、今月出来ることを。迷宮の最奥までの挑戦。今回は相翼院かな。さすがに九重楼はまだ怖い。でも楓もいい年だし、楓と翠蓮がいけなかったら正直誰で行けるんだみたいな気持ちがあります。二大超火力担当が強いんですよね、今。

 

今月も尚武の育成をする必要があるんですけど……正直、メンバーはもう決まっています。目的をボス制覇に置くのであれば、当然最強の布陣で臨むしかないです。

つまり、翠蓮・楓・芹香・すすき。洞助が尚武の訓練をつけます。実梨には申し訳ないけど、もう一月休んでもらいます。九重楼のボス討伐までに足踏みするようなことがあったらこの子を鍛えます。

 

さて、相翼院。

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勿論突入は最後の火で。かなり訓練も積みまして、しっかり育てました。

……それにしても、すすきの技力は半端ないですね。周りが100前後なのに一人だけ140とかあります。専ら早瀬と回復役はすすきに任せっきりです。

攻撃役はですねえ……芹香が早いし強い。正直この四人って単体攻撃専用編成というか、雑魚がかなり煩わしいんですよ。一体一体しか倒せないから時間がかかるという。そこにおいて前衛でも後衛でも邪魔な敵をまず倒して悪羅大将への攻撃を通しやすくしたり、全体攻撃役を落したり、太鼓持ちを倒して稼ぎに回ったり。なんでもござれ。

で、悪羅を一撃で沈めるのが専ら翠蓮の役目。楓はまあ、討ち漏らしを潰してます。流石に天目一刀で岩清水を越える打点は出ません。

 

ということで、楽々最奥まで。片羽ノお業さんと相対します。彼女はこの時点では子供を返せと半狂乱になって泣きわめく女の人。

ただただかわいそうに見えるとは思いますが、翠蓮はだからと言って手心を加えたり、真剣に戦闘に当たらなければ仲間を喪うことを知ってます。そしてその変化はきっと皆に伝わっていると思います。楓も戦闘のことのみではなく周りを見ようと意識しているでしょうし、芹香も今や我が強いだけの女ではありません。すすきはもともとの高い心火を持ちながら、先のお紺戦では一人火力になれず(木霊の弓とお紺さんは相性が悪すぎたのもありますが)、彼女の戦闘適性自体も技力高めのサポート役。一人、貢献度が低いと思って歯噛みしていました。きっと誰にも言わず明るい子として振舞っていますが、心の奥では精進を誓っているでしょう。

 

いざ、戦闘開始。

初手は芹香が取りました。幸先よく、かつ彼女なりの変化もあり、翠蓮に武人をかけます。

……そして、お業さんの一手は、芭蕉嵐。

この時、列形態はすすきのみ後列。あとの三人が前列でした。芭蕉嵐が前列と後列で大きく打点が異なることを、僕も、彼女たちも、誰も認識して居ませんでした。

前列全員に200程度のダメージ。後列に100弱入りました。

現時点での体力は、それぞれ300程度。

……これだけで、翠蓮・楓・芹香は瀕死。すすきも一度回復を入れたい程度の傷を負いました。

今できる最大の回復手段が、お地母二回と、お雫二回。全体回復2回ですすきの分は回復できます。お雫一回ずつで、前列の二人に回復量が足りないくらい。足が出ます。

それでも、やるしかないんだからフルで回復に回しました。攻撃の隙なんて全く無い。

そして、二度目の芭蕉嵐。前列のさっき回復しなかった一人、体力が一番高かった翠蓮は虫の息です。楓と芹香も回復分はすっかり吐き出してしまった。これを平均的に回復しようとしても、翠蓮が回復しきれません。翠蓮にお雫を二人分回せば、翠蓮は助かるかもしれません。ただ、楓と芹香の命の保証はありません。

 

 

 

……つまり。次の芭蕉嵐が来たら、少なくとも一人死にます。それも、全員がフルに回復をした場合ですら。

さあ、選べ? 無茶だ。出来るわけがない。しかも殴るスキすらない。加えて、第四波の芭蕉嵐はどちらにしても耐え切れない。このまま一気に削り切る?我が一族は未だ奥義の一つすら覚えていない。そしてかかっている補助は翠蓮に芹香がかけたたった一回の武人のみ。相手は未だ無傷。

 

……絶対に、無理です。それ以前に間違いなく相手の方が敏速が高い。全員一発ずつの攻撃を入れられるかも疑わしい。

 

殴る。手数が足りない。

回復する。間に合わない。

七光の御玉。水神の子はいない。

逃げる。逃げられない。

 

 

……全滅は、避けられない。

覚悟しました。僕が。そして、翠蓮が。今できる、一番「マシ」な選択を。本当に、嫌だった。でも、やるしかない。

 

 

「私への回復は必要ない。お兄ちゃんと芹香に回復を集中させて」

 

 

このまま戦闘が続けば、戦闘不能となるものが一人、また二人と増えるでしょう。そのために、戦闘を早く「終わらせる」必要がある。翠蓮が倒れることによって。

翠蓮の、決死の命令です。受け入れる受け入れないじゃない。甘えたで、深く物事を考えない性質だった彼女の、「当主としての命令」。

楓も、芹香も、すすきも。それが意味するところは当然分かります。今までの彼らであれば逆らったかもしれません。でも皆、既に「当主」の重みを知っている。

 

次の芭蕉嵐で、一族は敗走し京へと帰還しました。

一人、翠蓮だけを犠牲にして。

 

 

沈痛な面持ちでの帰還となりました。

しかし、当家にはまだ唯一の、そして最大の僥倖が残されていました。

……翠蓮は一命をとりとめ、また来月からの当家を指揮します。

 

 

 

 

 

 

 

よかったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああほんと死ぬかと思ったいやマジで洒落にならんほんとよかったああああああああああああああああああああああ

 

まじで泣きそうになりながら回復指示を……ほんとにつらかった……あまりにお業さんを甘く見てました……こんな苦しい指示をしなきゃいけないなんて……本当にごめんよ、翠蓮……。

来月からの一族も、よろしくお願いいたします……。