垣根の垣根の百物語

PSP俺屍Rの自分の一族とか某inb氏の一族の話とか ネタバレあります。

我が道 ~1021年 十一月~

十一月です。

今月から大江山の門が開きます。でもさすがに……今年朱点を倒すのは断念しています。お業さんすらも倒せないのですから……。

そして、今月は洞助の最期の月でもあります。彼は既に先月、隊長として後進と戦場に対するけじめをつけています。今月はゆっくり、家族と共に過ごしてもらうつもりです。きっと洞助も、そこまで血の気の多いタイプではないでしょうし、それを望んでいるんじゃないかな。

 

 

ということで、今月は楓の交神に使うつもりです。実は楓も一歳六か月。そこそこの年なんですよね。

彼は元服の時に特に希望を言うことはありませんでした。そういうことを当時は考えてなかったとは思います。

……というかですね、持ってる奉納点とかを吟味すると、そんなに候補は残ってないんですよね。楓が交神ということは、そのすぐ後に生まれた翠蓮の交神も近いということ。当然頭に入れとかないと詰みます。

 

で、その候補というのが、実質二人。

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こちらのお紋さんか、

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こちら、お雫さん。二人とも欲しい素質(体水)はもってるんですけど……。

となりに並べたときにびびっとくるものがあったことと、楓自身がかなり天才の子なので、多少安くなってもしっかり強い子が期待できるだろう、ということで、お紋さんにお願いすることにしました。

 

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ほら、なんか似合うじゃないですか。こう見ると楓が幼く見えますけど……もはや楓は自分が当主に、みたいな幼い精神ではないですし、しっかり成長した一人の男です。あとはただ、心身を磨き上げるのみ。翠蓮を支えるための刀です。

 

「身体を清めてあげる」

 

……えっちですね。

身体のみならず、心もしっかり清めてほしいものです。彼に必要なものを与えてくれる、姉さん女房となってくれるでしょう。お願いします!

 

……生まれてきた子は、なんというか、めちゃめちゃな美人さんでした、とだけ。

 

さて、交神をしたということ。それはまた同時に、一つの命が終わることをも意味します。

洞助が、床に伏しています。

 

   

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真垣 洞助

享年 一歳九か月

 1020年 2月 真垣千種と鳳あすか様の子として誕生。千種に師事する。

1020年 3月 菊梧に師事する。

1020年 5月 相翼院への出陣。

1020年 6月 白骨城への出陣。恨み足打倒。

1020年 7月 鳥居千万宮への出陣。

1020年 10月 九重楼への出陣。七天斎八起打倒。拳の指南獲得。

1020年 11月 相翼院への出陣。

1020年 12月 大江山への出陣。

1021年 1月 相翼院への出陣。速瀬ノ流々様を解放。

1021年 3月 春の朱点童子討伐隊選考試合へ出場。優勝を飾る。

1021年 4月 実梨に訓練をつける。

1021年 5月 実梨に訓練をつける。

1021年 6月 木曽ノ春菜様との交神。尚武を儲ける。

1021年 7月 九重楼への出陣。七天斎八起打倒・開放。

1021年 8月 尚武に訓練をつける。

1021年 9月 尚武に訓練をつける。

1021年 10月 相翼院への出陣。

1021年 11月 永眠。

 

洞助はですねえ……家に来た時から変人枠としての位置を確立していたと言いますか……生活リズムが独特なんですよね。みんなの団欒の場のご飯とかでも、一人で黙々とガーって食べちゃう、みたいな。マイペースというか、自分の空気を持ってるというか、そういう感じの子です。だから変人呼ばわりしちゃってるけど、へんてこりんなわけじゃない。そんな彼については実は語ることがかなりありまして。

 

まず彼個人としては、討伐に結構出てはいるんですけど、要所要所。強敵との討伐においては、かなりお休みしてるんですよね。なぜか、単純です。ボス相手に強くないんですよ、彼。技の風はまあまああるし、体力も高めで雑魚散らしとしては優秀なんですけど、如何せん火力が低めなのと、薙刀という武器の性質上単体相手に火力が抑えられがち。片や隣には翠蓮・楓という、単体火力では他に並び立つ者のない存在と、技力が一族随一で回復役として万能なすすきがいます。彼自身、求められる実力との噛み合わなさを感じていた可能性も、完全に否定はしきれません。しかし。

 

彼はマイペースな男。自分の生き方を見据えている男です。意外にも(?)人の気持ちが良くわかる男なんですよね。人並みに熱烈な恋をしました。先代当主の子にも、自分の子にも、持つ武器が違いながらも二ヶ月ずつみっちり稽古をつけて、人の師となりました。翠蓮をめぐって一族の心が離れそうなときは、翠蓮の相談役となり、楓や芹香の不満を受け止め、皆を繋ぎとめました。優しい男です。

 

常々劣等感を感じたり、一族の中でも中途半端な位置に甘んじたという思いや、自らが主導する器ではないことに対する自覚もあったのかもしれない。でも彼は、その表にあえて出すことのない優しさと、それぞれの心に対する慧眼によって一族を救ったことに、果たして自分で気づいているのでしょうか。

 

———何もない 平穏無事な人生を

   百年生きるよりも

   ずっと楽しかったと 思いたい

 

良かったです。平穏無事とは程遠いようなこの一族。その中で誰よりも平穏無事に生きたのが彼でした。でも、彼の人生は全くもって充実しきっていたのでしょう。満足げな言葉が、彼にとってのこの一族での立ち位置を表していました。

 

 

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ウロ、お疲れ。