垣根の垣根の百物語

PSP俺屍Rの自分の一族とか某inb氏の一族の話とか ネタバレあります。

賭け ~1021年 三月~

三月です。

 

いやーちょっと見てくださいよこれ。

 

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僕、相翼院のこと今までずっと双翼院だと思って生きてきたんですけど……相翼院なんですね????これから改めます……はっずかしい!!!!!誰か教えてくれてもよくない???良くねーよバーカ!!!

……恥ずかしい自らを悔いるためにも訂正はしないでおきます……。

 

冗談はそこそこにしまして、今月は穣の健康度がさらに下がる月。あまり言いたくはないですが、当主交代の月です。次の当主ですが、割と真剣に悩んでるんですよねえ……。

そして!!!!!!マジで前回も忘れてて本当に申し訳ないんですけど、洞助、楓、翠蓮がそれぞれ元服してたのに!!!!!取り上げるのをね!!!!!忘れちゃったんですよ!!!!!!ごめんなさい!!!!!!!!!

ちょっとこの機にそれぞれの元服に際してのお話をさせてもらいますね……?

楓と翠蓮はそれぞれコメントを残さなかったです。……まあそんな感じしますね。翠蓮はそんなに恋愛とかに関心がなさそうだし……他人に興味がないって訳ではないと思うんですけど、そもそも自分の世界を持ってる子なので……。楓はそれこそ自分の事しか考えてなさそうって言ったらあれなんですけど、他人に頼るってことをしなさそう。

 

で、洞助なんですけど……「とある土の神様にご執心

 

……え???マジで言ってる????お前が????

いや、あれなんですよ。だって君今まで「得意・早飯早グソ」で自分は自分の道を行くド変人で意外と大物の方だったじゃないですか????君、え???恋しちゃってるの?うwwwwけwwwwるwwwwwwww

いやごめん、真面目な恋だよね……考えておきます。(さる魔王に目をつけながら)

 

ともかくひとまずは、今月のことを考えることにしました。

……といっても、今月やることは半ば自動的に決まっている節がありました。そう、春の朱点童子討伐隊選考試合です。

実際これから迷宮の大親玉を退治することを考えると、戦勝点を少しでも稼いでおきたい気持ちがあります。優勝賞品は大したものがありませんし支度金もやっすいですが、参加しない手は無し!

さて今月は穣はお休みです。……当然です。穣自身がもはや自分にやれることはないと思っています。どんなにか悔しいでしょう。彼は直々に菊梧の思いを渡されています。

悔しい気持ち・覚悟があってのこと、今月の討伐隊を任命します。

洞助・楓・翠蓮までは良いとして、あと一人ですが……すすきにしました。

ぶっちゃけ木霊の弓が強かったから、というのがあります。そしてすすきは技の値が優秀。回復役にもなるんですよね。本当に便利。今の拳法家の武器、功徳の拳なんですよねえ……。正直ちょっと弱い。三連撃は魅力ですけど、安定感を取りたい。

 

……ということで、春の選考試合に出てきました!!

まあ結果は省略。一本勝ち二回、技あり一回の優勝です。

正直春の方がレベル高いとか言われても、どうせ優勝を目的に据えるのであれば大差ないですよね。強いのと当たるのをケアしなきゃいけないのは同じだし、連戦したから勝てなくなるって訳ではない。よっゆーでした。

 

ぐんぐん実力をつけている後進を見れたのが、穣にとって最もよかった事であり、最も辛かった事でもあるのかなって……。そこに唯一隣にいたのは芹香です。彼女は意外と心の水が高い子。穣の気持ちを察してくれると思います。芹香も菊梧の遺言は間近で聞いているわけですしね。

問題は最後のお仕事、当主使命です。考えました。何を考えたか?普通楓なんですよね。才能から言っても、性格から言っても。間違いないんですよ。でもなんか、そうじゃない気がしちゃった。それは僕が。性癖が出てるよ……すーぐ重い話にしたがる。

候補は、5人。

 

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洞助、楓、翠蓮、芹香、すすき。

流石に芹香とかすすきをいきなり指名するのはちょっと気が引けるのかなあ……穣が今際の際に、あるいはそれよりももっと前から何を考えていたのか?というところに注目していきたい。彼、菊梧の言葉を受けても自分は寿命が近くて、どうにかしたいけど大江山に行くことすらできず、どうにもできなかった男だと思うんですよ。そして彼は、当主としての梵天丸を見て、兄貴分の菊梧を見て、そして山茶花を通して自分へとバトンを渡された、「剣士の真面目な当主」としての流れをくむ男です。

何もできなかった自分を、そして同じくできなかった祖先を見る彼は、最後の一月にどんなに悔しい思いをしたか、どんな形で受け入れることにしたか。

 

……穣が最後にしたのは、自らの今までの否定なのかもしれない。そう思わずにいられませんでした。

勿論、先代までの努力とその進歩の結晶、そのメソッドを否定しているわけじゃないとは思います。でも、このままじゃ先には進めないかもしれない。その為には、尋常ならざる覚悟が必要なんだと。それを押し付けるのは、自分の最期の役目であり、最期の罪なのだと。

……だから。もっとも「当主に向いている」であろう、そしてもっとも「当主になりたがっている」であろう、「剣士の」楓を当主にするわけにはいかなかった。

そして、彼が選ぶのは、もっとも「当主には向いていない」上に、もっとも「当主になりたいなどと思っていない」であろう人でなければいけなかった。

 

穣には、一族を強くする責務があった。そしてそのために、一人の人間としての自覚・責任感に最も欠ける人間を当主にする「賭け」をする必要があった。

 

 

 

 

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翠蓮を、六代目 琳太郎として穣は指名しました。

翠蓮はこの家で一番ぽやっとしていて、無責任で、自覚がなく、自分が当主になるなんて微塵も思っていなかった存在。だからこそ、穣は彼女に責任感を、どうしても持たせたかった。翠蓮が責任感を持った先にしか、一族の未来はないとすら思った。

楓はどう思うんでしょうか……山茶花梵天丸の再来になってしまうのでしょうか……。もちろん不満でしょう。怒りもあるでしょう。双子の確執は、世代を越えてなおも二人を呪い続けるのでしょうか。それを破れるのは、偏に彼らの生き方以外にはありえません。

 

 

 

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真垣 穣

五代目 真垣 琳太郎

享年 一年七ヶ月

1019年 8月 真垣 葵と黒鉄右京様の子として誕生。

1019年 10月 鳥居千万宮への出陣。槌の指南獲得。稲荷ノ狐次郎打倒。

1019年 11月 九重楼への出陣。七天斎八起打倒。

1020年 1月 相翼院への出陣。

1020年 2月 九重楼への出陣、タタラ陣内様を解放。

1020年 5月 相翼院への出陣。

1020年 6月 白骨城への出陣。恨み足打倒。

1020年 7月 鳥居千万宮への出陣。

1020年 8月 夏の朱点童子討伐隊選考試合に参加。優勝を飾る。

1020年 10月 九重楼への出陣。七天斎八起打倒。拳の指南獲得。

1020年 11月 相翼院への出陣。

1020年 12月 大江山への出陣。

1021年 2月 八葉院蓮美様との交神。

1021年 3月 永眠。

 

穣はですね……家に来た時からずっと一族が修羅場っててかわいそうな子なんですよ……それでもなお自分を支えてくれた菊梧と、その時の当主の葵と梵天丸にあこがれを、そして少しの負い目を抱いていた人間なんですよね。彼には山茶花のような卓越した才能があるわけではなかった。だから、当主になった時もそんなに自信がなかった。菊梧は生きていますからね。

でも彼には十分な魅力や素質があるんですよね。人間的に優しく、人の心を開かせる力がある、というのは前回語った通り。それが故に蓮美様も心を開いてくれた(はず)。

そんな彼がきっちり自信をつけたのは菊梧が討伐隊を外れてから。ようやく自分の力を信じる事が出来た彼が、菊梧にその未来を託された彼が、それでも自分のままではだめだと実感せざるを得なかった。彼の覚悟が、大きな賭けに踏み出させた。

惜しむらくは、娘をその手に抱けないままに逝ってしまうこと。その不条理な現実も、この厳しい判断をさせる一因となったのでしょうか。

 

———今、みんなで 鴨川のほとりを

   散歩してる夢を 見たよ

 

そうなんですよね。ホントはこんな戦いなんてしたくないのが穣です。優しい子。でも、だからこそ、その覚悟が重くのしかかります。優しさを抑えつけて厳しい覚悟を問うた彼の心からの願いが、漏れ出たのでしょうか……。

 

 

 

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穣、お疲れ様でした。今までありがとう。