垣根の垣根の百物語

PSP俺屍Rの自分の一族とか某inb氏の一族の話とか ネタバレあります。

双子 ~1020年 五月~

先月、梵天丸が亡くなりました。

彼が当主の指輪を託したのは山茶花。彼女の健康度も落ち、今月までの命でしょう。その一月を彼女がどう使うか。それが最も大きな問題です。

 

そして。親の顔を見ずして生まれてきた、双子の弟の息子が家にやってきました。

そのお顔がこちら。

 

 

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もうね、最高に剣士顔なんですけど、いや剣士にするんですけど、それ以上に!!

この自信ありげな面構え、緑色の髪、青い瞳。誰が何をどう見ても梵天丸にそっくりですよ、ほんとに……

だってほら、見てくださいよ。

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ほら、似てるでしょ!?!?!?!?肌の色だけ若干健康的になりましたけど、それでもそっくりですよ……。髪型はお七さんの趣味かなあ……結って貰ったんだろうなあ……

 

そして彼、趣味・尺八だそうで。風流な趣味を持ってますね……。

何より彼、パラメータがですね……めちゃくちゃ強い。まず何より特筆すべきは技の水。これがめちゃんこ高いんですね。多分ですけど、くらら様の一番高い素質が表出してます。

そしてさらに!技の風も高め。お七さんの子だからなあ……。

心に関しては、火と風が比較的高め……かな?もしかしたら野心家なのかもしれません。

そうすると、尺八ってのも面白いですね。激しめの心を持っていることもあって、心を落ち着かせたいときに吹いたりするのかな、と思います。

そして重要なのが、名前。こちらです。

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楓(かえで)です。女の子にも使われる名前ですけど、かえって凛としていいかなと思いました。特に、父の梵天丸の「梵」から「木」を、母のお七さんの「風」をそれぞれ名前に貰い受けています。

この名前ですが……。おそらく、山茶花がつけたんじゃないかな、と思っています。

彼はもう、顔を見た瞬間から、剣士にしました。お顔が梵天丸に似ているし、父の職を継ぐことを彼も望むんじゃないかなあ、と。

 

そして楓の素質点ですが……一族初めての1,000点越え。どころか、1500点すら越えちゃってるんです。

ぶっちぎりのトップ。完全に不世出の麒麟児です。……そう考えると、天才と呼ばれた山茶花を姉に持つ梵天丸の、その子供が天才ってくるもんありますね……しかもそれを梵天丸は知らないまま逝ったのか……。

 

 

 

さて。梵天丸の面影を多分に受け継ぐこの子が家に来て、山茶花はこの最後の月、いったい何をするのか。

彼女が最後に何をしたいか、何をこの一月考えるか、それが判断の軸でした。

山茶花は頭がいいので、絶対に考えると思うんですよね。こんなことを梵天丸がした意味とは何か、と。そして、いざ手にした当主の指輪。自分は本当に「当主」になりたかったのか、ということを。

きっと、そんなことないと思うんですよ。心の風が強い山茶花のことです、「当主」という肩書に縛られることを望んでいたわけじゃない。でもじゃあなんで梵天丸とここまでこじれてしまったのか。自分は梵天丸に嫉妬していたのか。弟に対する不安が止まらなかったのか。姉の思いの引き受け先に自ずからなってしまっていたのか。

 

色々考えたんですけど、全然分かりませんでした。きっと、たぶんそれは山茶花もそうなのかもしれないなって。感情に答えがいつもあるわけじゃないですから。

でも、間違いなく事実なのは、梵天丸が当主になってから、山茶花はいつも通りに接するのが難しくなったこと。そして、彼を心から信頼し、家族として愛していたにもかかわらずそうなってしまったことです。

梵天丸の狙いはきっと、そういう内省の機会を山茶花に与えること。そして彼女は、間違いなくそのことに気付くでしょう。

 

では、自分は何をすべきなのか。なにをしたら、後悔がないのか。何をしたら、彼の気持に報いることができるのか。そしてそれは、自分が心から望めることなのか。

そうして、彼女は選びました。もちろんプレイの都合上これをするのがセオリーではあるとは思うんですけど、山茶花は心の水もそこそこにあるのです。きっとこうするだろう、と思いました。

 

 

今月は山茶花が楓の訓練をつけ、残る菊梧・穣・洞助で双翼院を攻めます。

楓には、父の形見・天目一刀を装備してもらいます。

そして、穣にも天目一刀を買い与え、装備してもらいました。

隊長は菊梧。最年長としての風格を見せてもらいます。

洞助が初陣となるので、今月の狙いは彼を鍛え上げること。そのついでに、取りこぼしたアイテム(笹ノ葉丸とか怒槌丸くらいしかないけど)を拾えたら上々って感じですね。奥の院まで行くともうちょいなんかありそうですけど、当主の指輪もないし初陣もいるし三人だしで、今回攻め入る理由はありません。

 

 

ということで危なげなく討伐をクリア。怒槌丸は確かこの辺りで取ったかな。

 

 

そして、家に帰ると。当然分かっていた、なんて顔をして、山茶花は寝込んでいるのかな。

 

山茶花は病床に伏せ、次の当主を指名しなければなりません。最後の大仕事です。梵天丸から山茶花に託された、実務上では一番大きな使命。

 

 

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穣を、五代目 琳太郎として指名しました。

彼は真面目で実直。一族を引っぱって行くだけの力があります。

菊梧を、というのも考えたんですけど、一つには、彼は旧世代の子である、ということ。特に梵天丸・山茶花が相次いで亡くなって今後、一族の顔触れはガラッと様変わりすることになります。それを考えると、少なくとも当主は新時代の子でなくてはならないだろう、と思いました。

もう一つには、菊梧は自分のことを「縁の下の力持ち」としての役割が最もふさわしい、そう考えているだろうと思ったからです。穣は真面目なので、菊梧を差し置いて自分が当主となることに抵抗があるかもしれません。でも、菊梧にとっては穣しかいない。そう考えているだろうと思いました。

 

最後の仕事を終えた山茶花。その幕引きが安らかであれば、何も言うことはありません。

 

 

 

 

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真垣 山茶花

四代目 真垣 琳太郎

享年 一年八ヶ月

1018年 9月 真垣 琳太郎と水母ノくらら様の子として梵天丸とともに誕生。

1018年 11月 九重楼への出陣。七天斎八起打倒。

1018年 12月 双翼院への出陣。槍の指南獲得。

1019年 2月 鳥居千万宮への出陣。風車ノお七様解放。

1019年 3月 九重楼への出陣。七天斎八起打倒。やたノ黒蠅様を解放。

1019年 4月 双翼院への出陣。

1019年 5月 鳥居千万宮への出陣。稲荷ノ狐次郎打倒。

1019年 7月 白骨城への出陣。恨み足打倒。

1019年 8月 九重楼への出陣。

1019年 9月 双翼院への出陣。

1019年 10月 鳥居千万宮への出陣。槌の指南を獲得。稲荷ノ狐次郎打倒。

1019年 11月 九重楼への出陣。七天斎八起打倒。

1020年 1月 双翼院への出陣。

1020年 2月 九重楼への出陣。タタラ陣内様を解放。

1020年 4月 やたノ黒蠅様との交神。四代目当主就任。

1020年 5月 楓に訓練を授ける。永眠。

 

山茶花はね……年表見比べて貰えばわかると思うんですけど、1019年のあの8月、梵天丸が当主の名を受け継ぐ瞬間までは二人で全く同じ行動をずっととってきたんですよ……ずーっと一緒だったんです。

それだからこそ、二人はその才能の差を感じざるを得なかったと思うし、才能のある方はない方に対してはっきり「優」の自覚があったと思うんですよ。そこをはっきり分けたのが当主の指名。奇しくも、持たざる者だからこそ持っていた素質、心的成長によって梵天丸は当主に選ばれた。

勿論、「全てにおいて私の方が優れている」なんて思っていたわけじゃないと思うんですけど、それでも、自分が獲得し得ない素質をもってしてその力を示した梵天丸の存在山茶花にとって衝撃だったと思います。だって、自分が今まで「才能」あるいは「自分の長所」だと思っていたものの根底が揺らぐんですから。

それで、梵天丸が当主になって、彼の活躍は本当に、当主の名にふさわしいものでした。各種鬼神の打倒、指南書・巻物の獲得、神様の解放。まんべんなくこなしました。

そこから彼女が何を考え、何を悩んでいたかについては言語化できるものではないでしょうし、解決できたかもわからないです。でも、それでも最後の月に彼女が選んだのは、梵天丸の忘れ形見。そして自分を遥かに凌ぐ才能を持った子、楓の訓練をつける事だったんですよ。これやばくないですか……?死ぬ……。

 

 

————今度 生まれてくるときも

    今日みたいに 天気のいい日がいいな

 

 

 

ほんっとに、よかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これを聞いて、本当に安心しました。なんて、悩みのない言葉なんでしょう。彼女は果たして、梵天丸が当主になってから、まともに天気を気にする余裕はあったのでしょうか。空なんて、見てなかったんじゃないでしょうか。

そんな彼女が見上げた空には、きっとやた様が迎えに来てくれるんじゃないでしょうか。今度こそ、本当の彼女らしく、優しい顔をした山茶花を見るために、待っていてくれたんじゃないかって、そう思ってしまいます。泣きそう。

 

山茶花、大好きなんですよ……自分が望んでいたわけでもない悩み、苦しみに、知らないうちに身を投じてしまって、なんで悩み苦しんでいるのか、最初のきっかけなんかどうでもよくなるほど疲れてしまったのが、最後の最後に、最愛の弟の手で解放されたなんて……

こんなにも人間らしかった彼女に、敬意を表します。

 

 

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山茶花、お疲れ様でした。