垣根の垣根の百物語

PSP俺屍Rの自分の一族とか某inb氏の一族の話とか ネタバレあります。

真垣 琳太郎 ~1019年 二月~

琳太郎の健康度が、また下がります。もう、ダメでしょう。

 

彼は既にすべてを決めています。今後自分が出陣することはない。自分では、成し遂げられない。だから子らに出陣を命じました。

今月は鳥居千万宮への出陣。先々月と同じく、葵を隊長として、千種、山茶花梵天の四人で挑みます。

明確な目的は特にはないですね。12月の双翼院出陣で、真垣一族は大江山以外、現在確認できる全てのダンジョンを見て回りました。

まずは山茶花梵天丸を鍛えること。そして、燃え髪大将を倒せるなら、そこで倒してしまうことが目標です。

 

出陣。ただ、彼らの脳裏には、家で待つ父のことがあるでしょう。

特に葵は分かっています。父が亡くなったときに当主に指名されるのが、間違いなく自分であることを。隊長を任され、二人だけだった時から父の考えを聞き、その使命感も気持ちも、全てを一身に受けてきましたから。

 

そして、燃え髪大将戦。少しきつくはあるんですけど、何と言っても木霊の弓が強力。他の三人で白浪を合わせることを念頭にしていけば、恐れる程ではないですね。

ついでに、紅こべとの戦いで後ろに控えたるは、風の車。何と朱の首輪が止まりました。そういえば葵ちゃんは風車を習得しています。あまり意識はしていませんでしたが、風車ノお七さん解放です。かわいいし、どこかで交神をおねがいしたいね。

 

それ以外にはめぼしい戦果もなく帰還。竜骨の槌を拾ってきたのですが、貧乏性が祟って持っていない武器やアイテムを売ることができません。もう一個ドロップしたらお金に変えよう……

 

そして……

 

琳太郎様がお倒れになりました。当主の指名をしなければならない琳太郎。そして、彼は大方の予想通り、葵を次期当主に指名しました。

そして、葵は宣言します。当主琳太郎の名を継いでいくことを。女の身でありながら、父の名を継ぐことを宣言した背景にはいろいろな思いがあるでしょう。何より、名は大好きな父からの初めての贈り物です。それとは別に新しい名前を持つこと、それ自体が「葵が葵として生きる」事を逆説的に示しているのかもしれません。

琳太郎様は反対したと思います。彼は確かにずっと焦っていましたが、その彼をわずかでもくつろげる場に降ろしてくれるのが、葵達家族だったからです。しかし、葵にも、葵として退けない理由があります。琳太郎様は、それを見抜いたうえで名を継ぐことを認めたのでしょうか。私には分かりません。

 

残念ながら、経歴をスクショできていないので、ここで文字として語らせていただきます。

 

真垣 琳太郎

1018年 4月 鳥居千万宮への出陣。

1018年 5月 魂寄せ お蛍様との交神。千種を儲ける。

1018年 6月 九重楼への出陣。

1018年 7月 水母ノくらら様との交神。山茶花梵天丸を儲ける。

1018年 8月 白骨城への出陣。

1018年 9月 双翼院への出陣。白浪河太郎様を解放。

1018年  10月 鳥居千万宮への出陣。

1018年  11月 九重楼への出陣。七天斎八起打倒。

1019年 1月 椿姫ノ花連様との交神。

1019年 2月 永眠。

 

琳太郎様は、とても責任感が強く、ずっと何かに衝き動かされるように交神と出陣を繰り返していました。実に四人もの神様と交神の儀を執り行っています。

そんな彼ですが、彼は頭が良いので、自分が目的の為に交神をしていることを強く自覚していたのではないでしょうか。それは結果的に女神様や自分の子を道具として扱うことにも等しい行いです。彼はその罪悪感故、誰に対しても誠実に、愛をもって向き合っていたのだと思います。だからこそ、女神からは好かれ、子からは懐かれるような人間だった。自分のことは好きではなかったのではないでしょうか。ただ、子供が彼の救いだったのかな、そう思います。

 

彼は最後に、終ぞ顔を見ることのできなかった最後の子供の名前を葵に伝え、息を引き取ります。遺言は、初めて強い決意を示した葵に報いるための、精一杯の強がりだったのではないでしょうか。ただ自分の中に持つだけでいた、その本気を言葉にするのには決して慣れていないはずですから。

 

      俺の死を悲しむ暇があるなら、一歩でも前へ行け

      決して振り向くな 子供たちよ…

      俺の屍を 越えてゆけッ

                  ————真垣 琳太郎 享年 一歳六ヶ月

 

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お疲れ様でした。